【フィンランド・旅のきれはし 13 】ヘルシンキの図書館めぐり3

ヘルシンキ最古の公共図書館 
リクハルディン通り図書館のこと。

ヘルシンキの図書館めぐり3ヶ所目は、街の中心部に位置する リクハルディン通り図書館 (Rikhardinkatu Library / Rikhardinkatu Kirjasto)です。こちらはなんと!今から136年も前(2017年現在)の1881年に建設された、ヘルシンキ最古の公共図書館です。現在までは増築やリノベーションをされながら大切に保全され、1986年まで105年もの間、 ヘルシンキのメイン図書館として街の人々に親しまれてきました。
また、本の貸し出しだけでなく 美術作品の所蔵もしており、アルトテック / ARTOTHÈQUE(絵画、版画、写真などの美術作品をアーカイブして展示したり貸し出したりするギャラリーのこと)としての役割も果たしています。

1880年代のフィンランド

こちらのリクハルディン図書館が開館した頃の1880年代のフィンランドのこと。
650年間続いたスウェーデンの圧政に代わり、1809年から 独立する1917年まで続くロシア大公国の統治下にありました。その100年の間において ひととき、ロシア大公国の宥和政策により自治権を認められ つかの間の安息を得た時期にあたります。国内の産業も発展した時期です。
その後、第一次世界大戦などの影響で再びロシアの圧政が始まり、隣国に翻弄され 独立の機運が高まる1910年までのこの約30年の間に文化活動に光があたり、音楽、文学、美術、など様々な文化が花開きます。
「フィンランド芸術の黄金期」と呼ばれる時代のさなかです。
この 1880年から1910年にわたる「フィンランド芸術の黄金期」には、
フィンランドの文化や歴史の原点、フィン族の民族叙事詩「カレワラ」を題材にした作品で知られる画家アクセリ・ガッレン・カッレラ / Akseli Gallen-Kallela1865−1931)、音楽家ジャン・シベリウス / Jean Sibelius1865−1957)、そしてフィンランドにおける写実主義時代の小説家、ユハニ・アホ / Juhani Aho1861−1921)、自身の身の回りの人々の光景や風景を描いたナショナルロマンティシズムの画家、ペッカ・ハロネン/ Pekka Halonen1865−1933)、コリ国立公園の風景画を好んで描いた写実主義の画家、エーロ・ヤルネフェルト / Eero Järnefelt1863−1937)など(その他多数の方々)が活躍し、マスターピースを生み出しています。

リクハルディン通り図書館、荘厳な建築デザインは

図書館の建築デザインは、19世紀フィンランドで主に商業施設の建築分野で活躍した建築家、セオドル・ホイエル / Theodor Höijer1843−1910)が手がけます。
彼の代表作に、

  • メッスキュラン教会 / Messukylän Kirkko (1879)フィンランド第2の都市タンペレにあるルター派ルーテル教会。
  • アテネウム美術館 / Ateneumin taidemuseo (1887)フィンランドの国立美術館。
  • ホテルカンプ / Hotel Kämp (1887)ヘルシンキ中心部にある五つ星ホテル

この他にも多数、商業施設や教会の建築デザイン、設計を手がけています。
アテネウム美術館などに見られる
ネオ・ルネッサンス様式の荘厳で品格のある たたずまいは、国の文化的な遺産として今なお大切に保全され続け、各々が街のランドマーク的存在となっています。

歴史感じる、美しい図書館

4階建ての左右対象のネオルネサンス様式のクラシックな外観。煉瓦と石膏の色の対比が美しく、趣ある街の通りに馴染んでいます。

内装も荘厳で美しく、思わずため息がでるほどでした。
美しいアーチとともに 優雅でクラシックな館内にモダンな家具やテキスタイルがところどころに見られ、アクセントになっています。

そして こちらの図書館の一番の主役は何と言っても、建物の中心を 1階から4階までに吹き抜ける 美しい螺旋階段のホールです。天窓から一階まで自然光がふりそそぎます。
(主役と書いておきながら 写真にはおさめておらずです.. (> <)。ぜひぜひ今後 撮影がかないましたら、追加していきたいです!! )

 

エントランス。

くつろぎスペースの一角。

支柱や装飾のアーチが美しいです。

19世紀後半、フィンランド独立前の時代に生まれ、そして 20世紀初頭に再び訪れる天下多事に フィンランド激動の歴史を共にくぐり抜けてきた図書館。
建築の美しさとともに、フィンランドの歴史を感じることのできる重厚な空気をまとっています。

重厚なたたずまいの中にも自然光を巧みに取り入れた建築デザインで、そこかしこに散りばめられた窓辺のかわいい小さな席、児童書のお部屋などは あたたかな雰囲気でほっこりします。小さなお子さんと親御さんのための工夫も素敵で、何と言っても 例に漏れずとてもキュートな空間です。

4階から1階まで吹き抜ける、あっと驚くほどの 美しい螺旋階段のあるホールを中心に 天窓や窓から巧みに自然光をとりいれた、人が本とともにリラックスしてすごすための やさしい空間作り。そして 本と人との時間のことを大切に想って運営されていることが伝わってくるような空間からは、フィンランドの図書館の居心地の良さのひみつをほんの少しだけ垣間見れたような、そんな小さな嬉しい発見がありました。


ヘルシンキ図書館マップ / information

 3.リクハルディン通り図書館
Rikhardinkatu Library / 
Rikhardinkatu Kirjasto

住所Rikhardinkatu 00130 Helsinki
開館時間:月ー木曜日 9:00-20:00, 金曜日 9:00-18:00, 土曜日 10:00-16:00, 日曜日 12:00-18:00
(土曜日は休館の場合があります。ウェブなどでご確認ください。)
アクセス : ヘルシンキ中央駅 / Helsingin pää rautatieasema から徒歩10分強ほど
または トラム 3,6,6T番 Erottaja駅 、10番 kolmikulma駅 下車 徒歩5分ほど
または バス 20番 Erottaja駅 24番 kolmikulma駅 下車 徒歩5分ほど
Website : Helmet.fi

 

 

 

 

 

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